マネジメント、経営学というとわかったようでわからない、という方も多いのではないでしょうか。
マネジメント・コンサルタントと称する人も(私もそのうちの1人ですが) 、実は切り口や中心とする視点は様々です。
コンサルティングファームで考えてみても、すぐにわかるように、戦略系と、組織人事系では全く異なるアプローチをします。かと言って当然無関係というわけではありません。
また特に日本においてマネジメントというと、その概念を最初に提示したドラッカーを思い浮かべる人も多いと思います。が、ドラッカーは欧米では経営学者として認識されていません。私もドラッカーは、基本的に経営学者というよりも経営哲学者ではないかと思います。マネジメント・アーティストですね。
「マネジメントはサイエンスか、アートか?」のコラムで、マネジメントはサイエンスか、アートか、という命題に対して、その両方だと書きました。
「世界標準の経営理論」というこの本は、現時点における経営理論の全体をサイエンス的な側面、アート的な側面の双方を効率的に俯瞰できるようになっています。(世界標準の…、という形容は賛否両論ですが)
これらの理論を知るだけで、マネジメントが巧くできるようになるというものではありません。
むしろ、それらを知った上で、自らの考えを発展させる、アートすることが必要です。
その意味で、この分厚い本を完全読破すればよいと言うことではなく、この本を眺めながら、自らの考えを発展させることにこそ意義があると思います。
今、企業経営やマネジメントも既存の考え方を打破し、新しい時代に向かっていく必要に迫られています。
経営者や企業経営の関わらずとも、社会に関わるひとり一人が、自分なりの考えを築き上げていくために、よいテキストだと思います。
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