私は、30年間500社以上の組織マネジメントに、人事、教育分野で関わってまいりました。恒常的に経営環境が変化している現在、マネジメントの難易度は上昇し続け、管理職研修のニーズも高まるばかりです。
しかし、受講者が研修内容を理解し、スキルの向上を図ることができたとしても、それだけでは組織全体のマネジメント力が向上することはありません。

何故ならば、実践の場は、上司も部下もいる職場のチームだからです。

職場の他のチームメンバーを巻き込むことができなければ、意欲を持ち、スキルを向上させた受講者もいずれ燃え尽きてしまいます。

私は長年このような経験に虚しさを覚えていました。
そこで私は、組織マネジメントを改善しようとするチームに対して、研修講師ではなく、コーチとして実践の場を支援することで、直接的に効果が高められると考えました。
それが、『マネジメントチーム・トレーニング』です。

「もっと人員が増え、体制も整ってからにしよう」
「人事制度は、取りあえず形だけ整えられれば…」
「マネジメントと言っても、組織も小さいから、まだ先でいい」など、
リソースが限られた組織にとって、もっともなご意見です。

しかし、組織が大きくなってからでは複雑化し、組織内のコンフリクトも増大し、誰もが合意、納得するコンセプトではなく、誰も賛成も反対もしない、はっきりしないコンセプトがベースになったり、声の大きな人の意見がベースになってしまったりと、却って難易度が高まってしまうのが現実です。

私がこれまで実施してきたマネジメント研修の多くは、いわゆる大企業でしたが、このような内容を中小企業の経営に携わる方々に提供できれば、

• 理念やビジョンの共有
• 参加者個人のスキル向上
• チーム内の関係性の発展
• チームの効果性向上
• 組織マネジメントの基礎づくり…、など
  

これらを同時に推進することができ、単なる研修ではなく、組織にとって効果性の高い施策とすることができます。

科学は世界を要素分解し、人類の認識力の限界を補い、より適切な認識の仕方や、真実に近づく方法を提供し続けてくれます。
しかし私たちは、現時点での定説を真実として捉えてしまいがちです。

分解された要素を全て足し合わせても、全体にはなりません。
人類の文明が始まったときから世界は基本的にグローバル化に向かってきましたが、現代は遠い国で起こったことも、世界各地に何らかの影響を及ぼさずには済まないほどです。

それほど複雑化していますので、単純化して世界を捉えること、ある要素だけに着目し、他を無視することは、文字通りのリスクとなります。

いよいよ私たちは、自己の利益と他者の利益、社会の利益、それぞれの存在そのものを尊重し、公平に扱えるかを試される時代になっているように思います。

組織マネジメントに対する考え方も、支配構造を構築し、一部が利するような仕組みでは早晩破綻します。
利潤だけの追求ではなく、組織がコミュニティーとして繁栄し、参加する個人や集団も繁栄できるようにすることが求められていると考えます。
希望に満ちた組織、笑顔あふれる社会の実現に、微力ながら貢献したいと考えています。