マネジメントとは、その意味と実践方法

ネジメントの解説は数多くあるが結局何だかよくわからない?
矛盾した説明も多々見受けられる?

また、本当に現実の経営に役立つのか?
中間管理職の研修テーマでしかないのではないか?
などなど、意外とモヤモヤした感じもありますよね。

私たちにとって「マネジメント」は、実践に役立つ説明でなければ意味がありません。
経営学は学問ですが、現実の経営に役立てられなければ廃れます。

この記事では、「マネジメント」を実践に役立つように、わかりやすく整理します

私は30年以上、企業のマネジメント教育に携わってまいりました。その間企業を取り巻く環境は大きく変化し、マネジメントに求められる役割も変化してまいりました。そして、その重要性と難易度は高まっています。しかし、マネジメントの本質的意義は何ら変わりありません。

この記事で、マネジメントの意義を適切に理解し実践すれば、徐々にマネジメントの質を向上させることができます
経営者の方も、組織の管理者の方も、ご自身のマネジメントの質が高まれば、自分だけではなく周囲も含めて心身ともに健康で楽しく仕事を進めていくことができます。


1.マネジメントとは『よりよい未来を創造すること未来創造

「マネジメント」とは、一言で言えば「よりよい未来を創造すること」
と覚えていただくと実践に適用することができます。

えっと意外に思われる方がいらっしゃると思いますので少し解説いたします。
一般にマネジメントの概念をドラッカーが広めたのは半世紀以上前になります。
彼はマネジメントとは「組織に成果を上げさせること」と言いました。
マネジメントの基礎理解と言うとドラッカーの提唱した内容を踏襲するのが一般的です。
しかし、「組織に成果を上げさせる」という言葉だけで表層的な理解をしてしまうと、正しくマネジメントを理解できませんので、マネジメントを実践することが困難になります。

ドラッカー以外では、マネジメントを与えられた目標を達成する役割とし、
リーダーシップは目標を指し示すものというような説明をしているものもあります。

この解釈はかなり狭い捉え方で、却ってマネジメントもリーダーシップも上手く現場で発揮しにくくする懸念があります。ありうる解釈の仕方ではありますし、リーダーシップ論の文脈で実際によく用いられる説明でもあります。マネジメントとリーダーシップをあたかも別の役割として捉えるのは、少なくとも現在多くの日本企業では合わないでしょう。

別の記事でも触れていますので、ここでは割愛いたしますが、実践に活かすためには、
「マネジメント(の役割)を遂行するために、リーダーシップ(影響力)の発揮は必然である」と理解してください。

そして冒頭で申し上げたようにマネジメントとは『よりよい未来を創造すること』と、考えていただくとよいと思います。
これは経営者の方であっても、中間管理職の方であっても同様です。
実はこの説明もドラッカーの定義から逸脱するものではありませんが、短い言葉だけで理解をすると、両者が同じことを言っていると解釈するのは難しいかも知れません。


2.未来はどのようにして創造できるのかマネジャーの仕事と役割

何故、マネジメントを「よりよい未来を創造すること」とすると実践しやすく、ドラッカーの定義からも逸脱しないかを解説します。
ドラッカーはマネジメントとは「組織に成果を上げさせること」と簡潔に言いましたが、更にマネジメントの役割として、以下の三つをあげています。

  1. 組織が果たすべきミッションを達成する
  2. 関わる人々を活かし、それぞれが自己実現できるようにすること
  3. 社会に貢献すること

これの意味するところは、組織の命に従順に従い、三つの役割を果たすこと、ということではありません。
何故ならば、上位組織の意志、期待があるのは当然ですが、
マネジメントの役割を遂行する人(以下、マネジャー)自身の主体的な考えや意志が明確である必要があるからです。

「組織が果たすべきミッション」「関わる人々の自己実現」「社会貢献」それらが一体何であるのかについて、
マネジャー自身の考えや意志がなく、人を動かしていくことは困難です。

当然、上位組織の意志や期待と100%合致しないこともあるかもしれません。
違った場合、自らの考えを主張せずに控え、上位に追従するならば、組織内の意思統一は誰がするのでしょうか
目標共有は不可能です。まず自らがミッションや目標にコミットし、責任を持っている必要があります。

従って、マネジメントを「よりよい未来を創造すること」と申し上げましたが、もう少し言葉を加えれば、
”自らも含めて関わる人々全てにとってよりよい未来”を創造する
とすれば、ドラッカーの意味することろも含意すると理解していただけるでしょうか。

そうしますと、”自らも含めて関わる人々全てにとってよりよき未来”とはどんな未来なのかを鮮明に描いていることが前提になります。
つまり、ビジョンですね。

そしてどのようにしたらそれを具現化できるのか、
中長期の目標、それに対するマイルストーンとしての目標、
つまり、戦略ですね。

戦略には、内外の状況を適切に認識し、
それらにもよりよい変化が生じるように影響を及ぼすための計画も含まれます。
そして内外の状況は意図に反した変化を示すこともあります。
そもそも戦略や計画が適切ではなかったということもあるでしょう。
それでも効果的、効率的にミッションを果たし、社会貢献すべく適切に修正していくことがマネジメントなのです。


3.マネジメントを実践するために最も重要なスキルは…I can and I will

これまでの説明通り、

マネジメントとは、
自分も含めて組織や関係者にとって
よりよい将来のビジョンを明確に描き、共有し、
効果的に到達しようとするものです。

これを一言で『よりよい未来を創造すること』と表現したのです。

そのために必要なスキルをここで詳細に説明しようとすれば多岐にわたります。
マネジメントに必要なスキル全体については別の記事に譲り、ここでは最も重要なスキル「主体的な意志」について説明します。

「主体的な意志」はスキルというよりも態度、姿勢の問題ですが、
全ての根幹になりますし、これが欠落していれば、他の必要なスキルをいくら身につけていても、適切に役割遂行をすることが難しいと考えられますので、ここで強調しておきたいと思います。

先ほど触れましたリーダーシップ(=リーダー)と、マネジメント(=マネジャー)が、あたかも全く別の役割、別の人物が実行するものと解釈することの問題を指摘しましたが、組織においては同時に求められることが一般的だと思います。
もし仮に別だとすれば、リーダーには主体的な意志を明確に持ちビジョンを描くことが必要ですが、
マネジャーが行うマネジメントにおいては主体的な意志は不要で、リーダーが指し示す方向に従って客観的、論理的判断で粛々と役割遂行をする、というような誤解が生じます。
しかし、マネジメントにおいてすべからく客観的、論理的な帰結が得られるということはありません。
的確な判断をするためには主体的な意志、価値判断を持ち、それを明確に自覚している必要があるのです。

仮に別人のリーダーが示したビジョンであれ、企業組織全体のビジョンであれ、自らが設定したビジョンであれ、そこに自らの主体的な意志がなければ、到達しようというエネルギーが希薄になります。

そして、マネジメントの役割を、あくまでも言われた役割だからやっているというのではなく、
自らが望んで行っている(主体的な意志)のであれば、自ずと必要なスキルは身についていきますので心配はありません。


4.成果を出しながら、学習を加速するLearning

全てを知り、必要とされるスキルの全てを身につけていないと実践できないということはありません。
ここで述べたことを基本にし日々学習を積み重ねていけばよいのです。

但し、自分だけが学習するのでは効率性も効果性も限定的です。
マネジメントはメンバーを通じて成果を上げていくことです。
メンバーとともにオープンに学びあえるようにすることが重要です。

ともすると、ここでも一般的な誤解としてマネジャーが教え、指導する立場、メンバーが教えられ、指導される立場として固定化して捉えがちです。確かに、チームや組織の長としてのマネジャーは、意志決定とその結果に対する責任がありますから、最終決断の結果を指示命令する場面もあります。
だからと言って、決断を下すまでにメンバーと忌憚ない率直な議論を妨げるものではありませんし、重要な決断であるほど、むしろメンバーと充分に議論すべきでしょう。
それは大変なエネルギーを要するかも知れませんが、議論自体が決断内容の共有、共感づくりのプロセスになります。
決断内容への各メンバーのコミットメントを高めることになります。

また、マネジャー、メンバーの別なくチーム内の相互理解を促進することにもなります。
このようなプロセスを仕事の中で組み込めるようにするだけで、マネジャーのみならず、メンバーの学習促進にもなります。


いかがだったでしょうか。
今回は「マネジメント」とは一体どのように捉えたらよいのか、具体的にはどのようにしたらよいのかということについて、簡潔な説明をしてみました。

マネジメントとは、関係者にとってよりよい未来を創造すること
=ビジョンを描き、そこへ効果的に到達することであり、

その方法は、

ビジョンと中長期ゴール
マイルストーンとしてのゴールを描き、
到達できるようチームや組織としての学習を促進しながら、
その効果性や効率性を日々高めていく

ということでした。

それを遂行するには、”自らの主体的な意志”は必要不可欠であり、
それが強固であるほど必要なスキルは自ずと身についていくと説明いたしました。

今回はマネジメントの概要の実践的理解を目的にしましたので、より具体的な方法や必要なスキルの詳細などにまでは言及していませんので、他の記事も参考にしていただければと思います。

もちろん詳細の全てを理解しなくては実践できないということはありません。実践と学習を継続していくのが一番の近道です。
但し、繰り返しになりますが、ご自身の主体的な意志の強さは、最重要です。
ですので、それがどの程度の強さか、その理由や原因にはどのようなことが考えられるかなどを省察していただくことは有益ですので試してみてください。


無料eBookプレゼント


企業経営者の方々にとって、どんなに優秀な社員であっても、
・いまいち危機感を共有できていない
・目線が低い
・自分の考えがない
・指示待ち
・頼りない
・結局自分で全て行わなければならない

などと思ってしまう場面がありませんか?

それは、経営者と従業員とでは全く立場が異なるからです。
このeBookでは、この立場の違いを超える方法をわかりやすく説明していますので、読んだ直後から実践できます。是非、試してみてください。

無料eBookダウンロード→

関連キーワード

関連記事

RELATED POST

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
MENU
お問合せ・FAQ

TEL:03-6869-5278

(月 - 金 9:00 - 18:00)